こころみの理念
『家庭的な温かみのある施設』に
何かを成し遂げた達成感や喜びを味わう手段のひとつとして、『働くこと』を大切に
『仕事』を通じて地域や社会と結びつき、『人々にとってなくてはならない存在』に
『こころみの精神』
将来への計画を進めるにあたっては、常に開設当初の精神を想起すること。なお、開設当初の精神をできるだけ正確に伝えるために、『利用者』を『子どもたち』と呼んだ創設者たちの気持ちを含めて、そのままの表現にしてあります。
・グチや泣き言を絶対に言わない
・いつも『子どもたち』のことを先に考え、職員のことを後で考える。
・自らが厳しさに耐えたあと、子どもたちにも厳しさを。
・体を動かし、汗を流して働くことを、何よりも大切にする。
・創意性のある、活気に満ちた施設をつくる。
・起こってくる不都合な問題を、常に自らの問題として受け止め、その解決に全力を注ぐ。ただ働きをいとわない。
こころみ学園の創始者川田曻が、昭和30年代に当時の中学校の特殊学級の生徒たちと開墾した急斜面のぶどう畑が、こころみ学園のもとになっています。
変化にとんだ山の斜面で、体を動かしながら働く作業や生活を通じて『移動の訓練』を提供できれば、たとえ重い知的な障害があっても大きな能力を引き出すことができる。また自然の中で質素な生活を送ることで、『暑さ・寒さに耐えた後の涼しさや暖かさ』『空腹に耐えた後の食事のうまさ』『疲れた後の休息の喜び』『眠さに耐えた後の眠る喜び』など生きる喜びを体感し、自らの情緒を安定させ、やる気と耐える心とを自然に身につけることができる。土地の人たちの生産の営みに深く関わり、互いに助け、助けられ、助けようとして生きる施設を作りたい。しいたけやぶどうの栽培、草刈り、伐採などの仕事を通じて助け合い、地域になくてはならない施設にしていく。
そんな思いのもとの『こころみ』の実践を今後も継続していくつもりです。ここで生活している一部は高齢になり、開設当時に比べて人々の価値観も変わり、さらに福祉の制度もめまぐるしく変わっていきます。上記のことを踏まえ今後も『こころみ』の実践を続けていくために、人々に必要とされる事業を続けていくために、日々研鑽に努めます。
こころみ学園とココ・ファーム・ワイナリーの年表
昭和33年(1958年) | 栃木県足利市田島町の山に葡萄畑をつくる。 |
中学の特殊学級の教員だった川田昇と、特殊学級の子どもたちが中心になって 作業にあたり、2年がかりで勾配38度の急斜面3ヘクタールを開墾。 | |
昭和36年(1961年) | 現存する最も古い樹齢のマスカット・ベーリーAを、こころみ学園のマルロク葡萄畑に植樹。 |
昭和43年(1968年) | 葡萄畑の一角に手づくりのバラックで川田以下9人の職員が寝起きしながら、市・県・国の補助を受けず、自分たちの手で学園の施設づくりを進める。 |
昭和44年(1969年) | 30名収容の施設が竣工し「こころみ学園」と命名。 |
11月に成人対象の知的障害者更生施設として認可が下りる。11月14日開所。 |
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昭和47年(1972年) | 2月 園生60名(男性25名、女性35名) 4月 園生80名(男性40名、女性40名) |
昭和55年(1980年) | 2月 こころみ学園の考え方に賛同する父母など保護者たちの出資により、有限会社「ココ・ファーム・ワイナリー」設立。 |
昭和58年(1983年) | 佐野市赤見の葡萄畑の測量を開始。 |
昭和59年(1984年) | 4月 「ココ・ファーム・ワイナリー」に醸造の認可が下り、秋よりワインづくりを開始。1万2千本を生産し、完売。 11月 第1回収穫祭開催。 |
昭和61年(1986年) | 4月 佐野市の赤見の葡萄畑(2ヘクタール)にマスカット・ベーリーAの苗木を植える。こころみ学園山頂の開拓園の開墾がはじまる。 |
昭和62年(1987年) | こころみ学園開拓園に、マスカット・ベーリーAとリースリング・リオンを植樹。 |
平成 元年(1989年) | カリフォルニア・ソノマに5ヘクタールの葡萄畑を確保。 この畑づくりやぶどうの苗木植えも園生と職員がおこなう。 |
平成 6年(1994年) | 1月 古澤巌取締役就任 4月 園生90名(男性54名、女性36名) |
平成 7年(1995年) | 6月 園生が親を招待して、カリフォルニアへ親子旅行。職員、卒園生などあわせて291名が参加。 |
平成11年(1999年) | 1月 ブルース・ガットラヴ取締役就任 4月 佐野市赤見の葡萄畑に小公子を植樹。 |
平成12年(2000年) | 4月 こころみ学園のマルサン葡萄畑にノートンとタナを植樹。 やまのこ棟(第1期工事)完成。 7月 スパークリングワイン「1996NOVO」が九州・沖縄サミットの首里城での晩餐会に使用される。 |
平成13年(2001年) | 6月 ぶどう学舎(第2期工事)完成。 |
平成14年(2002年) | 4月 田島町の田島川右岸にノートンとヴィニョールを植樹。 |
平成15年(2003年) | 4月 ココ・ファーム・カフェ、オープン。 |
平成18年(2006年) | 4月 こころみ学園のマルサン葡萄畑に、プティ・マンサン植樹。 |
平成19年(2007年) | 4月 佐野市赤見の葡萄畑にタナを植樹。 |
平成20年(2008年) | 7月 赤ワイン「2006風のルージュ」が北海道洞爺湖サミットの総理夫人主催夕食会に使用される。 |
平成23年(2011年) | 11月 足利市田島町にワイン用葡萄畑、テラスヴィンヤード開墾。 |
平成24年(2012年) | 4月 テラスヴィンヤードにマスカット・ベーリーAとリースリング・リオンを植樹。 6月 高齢の知的障害者のための多目的スペース(カバネル)完成。 |
平成25年(2013年) | 10月 スペイン・ラホイ首相歓迎夕食会で「2010山のシャルドネ」が使用される。 12月 JAL国際線ファーストクラスラウンジで「2012足利呱呱和飲」が採用される。 以降、国際線の機内やラウンジ、列車などに搭載される。 |
平成26年(2014年) | 香川県小豆島に小さなオリーブ畑をかりる。 |
平成28年(2016年) | 4月 スパークリングワイン「2012北ののぼ」がG7広島外相会合1日目の岸田大臣夫人主催夕食会の乾杯で使用される。 |
平成29年(2017年) | 8月 メイ英首相歓迎夕食会で「2012北ののぼ」が使用される。 |
平成30年(2018年) | 2月 葡萄畑開墾60年を記念して、感謝の集いが開かれ 古澤巌がヴァイオリンを演奏する。 |
平成30年(2018年) | 12月 職員寮(ノエヴァファミリア)完成 |
令和 1年(2019年) | 10月 管理棟、日中活動棟、GH(たじま荘・もちぶね荘)完成。駐日ローマ法王庁大使館昼食会で「2018月を待つ」と「2016陽はまた昇る」が使用される。 |
令和 3年(2021年) | 7月 新たんぽぽ棟完成。(高齢利用者の住まいとなる居住棟) 管理棟に職員ラウンジ完成(職員休憩室) |
◆受賞歴
2000年 | 第9回日本生活文化賞 |
2002年 | 第1回渋沢栄一賞 |
2006年 | 第1回 ソーシャル・ビジネス・アワード ソーシャル・ベンチャー・ビジネス賞 |
2007年 | デザイン・エクセレント・カンパニー賞 |
2008年 | 東京農大経営者大賞 |
2010年 | 吉川英治文化賞 |
2018年 | ディスカバー農山漁村(むら)の宝選定 |
2018年 | 第10回若者力大賞 |
2019年 | 第9回日本でいちばん大切にしたい会社大賞 審査委員会特別賞 |
2021年 | 第8回ソーシャルプロダクツ・アワード2021優秀賞 |
2023年 | Terroir.awards2023社会貢献賞 |